血道
2011-06-15
書棚に余裕がなくなった。
そこで、棚の多くを占めてきた「ゴルゴ13 総集編」を読み返すことにした。
内容を記憶してしまえば、書棚に並べずに箱へしまうこともできるし、最悪の場合廃棄することも可能となるだろう、という目論見の元。
読み返して思い知らされたが、今後記憶力を妄信することはやめにしたい。
確かに一度は読んだはずなのに、ストーリーをほとんど記憶していないとわかったからだ。
ところで、2003年10月に発表された「地上の太陽」という話がある。
これは、核融合炉による発電に関する話で、その主導権を争い各国が思惑を巡らせる、というものだ。
ストーリー上、アメリカは戦争を通じて100年以上涸れない油田を手に入れているため、石油以外の資源の開発を認めたくないという立場を取っている、とアメリカにある石油会社の経営者は見解を示している。
言うまでもないが、「ゴルゴ13」の物語は、すべてフィクションである。
こんな時期に恐縮だが、最後の一節を引いておきたい。
石油の産出がピークを迎える2030年までは、さしせまった新エネルギーの必要は無い。しかし人間は古来、数百年、数千年後の子孫のためにさまざまな技術を残してきた。数百年後、すべての化石燃料は確実になくなる…その遠い未来のために、現在の研究があるのだ。
この文章のすべてに賛同する気はさらさらないが、現在の研究が遠い未来のためにあってほしい、という願いは通じてほしいものだ、と思う。
もちろん、結果オーライで全く問題ない。