絵筆
2011-05-30
「いずれは、掘り返さなならんときが来るやろうね」
これは、筑豊炭田には今も多くの石炭が埋蔵されているらしいという推測をふまえた上での、僕の父の冗談的見解である。
今後エネルギー資源の需要が増大し、各国間で資源の取り合いが激化した際に、一度は採掘をやめた石炭をまた掘り返さざるを得ない事態がきっとやってくるであろう、という一考察である。
そんなことになるのかどうか、僕にはよくわからない。
できれば、そんなことにはならないでほしい、と強く願う。
ともかく、山本作兵衛が残した炭鉱画がユネスコの「Memory of the World」に登録されたことは、実に明るい知らせである。
ものすごく控えめに言って、「一泡吹かせた感」がする。
「ワールド・デジタル・ライブラリー」でなくてもいいので、ウェブで閲覧できるようになる日を楽しみにしたい。
新聞に載った絵を指さし、「男の人の体に絵が描かれているけど、なぜ?」、と「私って、オムライス、ダメな人じゃないですかー」風に尋ねられた。
一瞬、答えに窮したが、思うに、時代背景を多少は考慮する必要もあるのではないか。
つまり、「地域性にかかわらず、昔だし」と片付けたい。
「この質問には、悪意しか感じられない」などとは思っていません。
ちなみに、僕は子どものころから「オムライスがダメな人」である。
なぜなら、チキンライスが苦手だからである。