過剰
自宅近所の商業施設には、あるアイドルグループが営業によくくる。
月に一度ほどのペースで、なぜそんなに頻繁にくるのかよくわからない。
時々、買い物に行くと、広場でのライブが開催されているのを見かける。
僕はそのライブの様子を、第四者的立ち位置で見るようにしている。
アイドルグループが第一者、それを応援する熱狂的なファンを第二者とすると、たまたまそこを通りかかり、ライブの様子を見て「なにあれ、あり得ないんですけど」と言うのが第三者である。
その第三者の様子を含めて見るのが僕のポジション、第四者的立ち位置である。
僕から見ると、対象は何であれ何かに対して盛り上がっている行為自体に距離を感じる。
アイドルグループのファンを批判する第三者も、どうせジャニーズタレントやら韓流スターやら甲子園やらサッカーやらフィギュアスケートやらで興奮しながら応援しているのだろう。
僕はそういう集団で盛り上がる行為にどうしてもついて行けない。
そして、このような僕を観察する第五者、第六者的な人もおそらくいるのだろう。
先日もたまたま営業をやっていたので観察していたら、僕の携帯電話にメールが届いた。
メールを見ようと携帯電話を取り出すと、スタッフが飛んできて「携帯電話での撮影は控えてください」と言われた。
また、握手会が始まるというので、しばらく待つことにした。
こないだ握手会を見ていたら、ファンがアイドルの手を2分ぐらい離さないままずっと話しかけており、その様子をもう一度見たかったからだ(アイドルは女性であり、ファンは男性である)。
するとスタッフがやってきて、「こちらで登場を待つのはやめてください」と言われた。
登場する入り口付近にいたのは確かだけれど、死角になっていたし、何より登場する姿を見たかったわけではない。
迷惑をかけてはならないと感じ、その場を立ち去った。
もう二度と行かないでおこう。