曇天の続き

Diary > 2010 > 09 > 28 > | Prev < Calendar > Next | RSS 1.0
2010-09-28 Tue.

論題

2010-09-28

実家で呆れ果てるのは、家族で食事をとっているとき、両親の話題が食卓に並んでいる料理についてだけであることだ。
「これはうまい」「どこで買ったのか」「やっぱりちがう」「あれを出してくれ」「この部分が一番うまい」「次はこれを食べよう」「おまえ、少し食べ過ぎだ」「オレの分を残しておけ」「まだ、ここに残っとるやろうが」…。
文字に起こしていて、開いた口がふさがらない。

両親の振る舞いは確かに極端である。
それでも、食事をとっている時に最適な話題はその時に食べている料理についてである、というのには賛同したい。
これは経験則だが、その場の話題の中心となる料理とは、実に尊ぶべきものである。
誰も不愉快にならない。

他に会食に相応しいと思う話題は、その時に飲んでいる酒について。
あとは、仮定の話だ。
「もし○○だったら」という誰も傷つけないお題を選び、反芻を重ね、何のユリイカも得られない結論を導くことが重要である。

僕は、道の話や、街の平和な歴史の話も無難だと思うのだが、興味のない人も多いので、注意した方がいいのだろう。

気をつけているつもりだが、年のせいなのか、最近は飲むと自分の話や昔の話ばかりが口をつく。
一応自覚はしているのだが、こんなことでは、早晩誰も相手にしてくれなくなる…、もう手遅れだろう。

飲んだ次の日、話の内容を振り返ってみて何も覚えていない、あるいは今後の人生にとっては無意味だが楽しいことしか覚えていない、というのが、最高である。

一方で、世の中には飲み会の内容を事細かく覚えている人がいる。
酔いの覚めた頭で冷静な分析を加え、戦力として用いるために配備を密かに進める。
個人的な意見だが、これは大人の飲み方ではないと思う。
でも、これはある種の才能であり、処世術としては適切であろう。

Link
Diary > 2010 > 09 > 28 > | Prev < Calendar > Next | RSS 1.0