撤退
2010-08-22
「HMV渋谷店の思い出」というテーマで書こうとして、「特に何もないな」というところに落ち着いてしまう。
初めて上京したときにタワーレコードに行ったことは覚えているが、HMVに行った記憶はない。
東京に住み始めてからは、HMV渋谷店には情報収集や試聴でよく行っていた気がするが、CDを購入した記憶がない。
CDを買うのは、いつも大学生協だった(割引がきくから)。
今の渋谷店ができた時のことは覚えているが、その前の渋谷店がどんな店だったかすらもう忘れてしまった。
唯一覚えているのは、2004年。
ひどく疲弊したときにHMV渋谷店に立ち寄り、BONNIE PINKのシングル「Last Kiss」の存在に気づいた。
試聴し、「これを聴くことでしばらく生き延びることができるな」と思った。
BONNIE PINKを今後も聴き続けるか迷っていたころで、それどころか当時は忙しくて音楽を聴くという行為からも遠ざかっていたころでもあったので、本当に救われた気がした。
この時の勢いで、普段なら絶対に行かないライブに行くことになった。
CD店が閉店する、ということで懐古主義的な切り口をとるメディアが多く見られた。
何でも惜しめばいい、というものでもないと思う。
いかにも付け焼き刃の情報で、この程度なら報道番組で振り返らなくてもいいのに、とも思う。