出演
2010-05-24
「お願いランキング」のような情報番組を見て思うのだが、この頃はテレビに出たい人の方がお金を払う(出演料を持ち出す)時代である。
つまり、制作側からギャランティーを払う必要が発生しない。
地方局では制作費を抑えるためによくとられた手法であったが、いまやキー局もそういう番組が増えてきた。
CM総量規制があるので1時間のテレビショッピングは広告ではなく番組として放送する、というテクニカルなことを放送局は以前からやっていて、少しだけ問題になったことがある。
しかし、問題と呼ぶべきなのは、もはやテレビショッピング番組だけではなくなってきている。
テレビタレントや雑誌のライターは、情報を伝えたい人のためのメディアとなることを覚悟しなくてはならない。
表現者自身の考えを伝えようとしたり、自分の作品を知ってもらおうとしたりすることは、許されない。
自分は主役にならず、情報伝達の代替業に徹する必要がある。
メディアに出演する側も、出演すること自体でビジネスが成立可能と考えるのは甘い目論見である。
出演することで本業を宣伝し、本業でビジネスを成立させなければならないことを、意識しておく必要がある。
お笑い番組もそうだ。
広告に支えられ、番組は番組で独自におもしろいことをするだけで制作費を全て確保しようとすることは、到底許されないような事態になっている。
放送はあくまで宣伝の場であり、DVDやグッズ、イベントで稼ぐことが求められてきている。
放送や雑誌が、100%宣伝の場となってしまう。
そういうメディアが既に出始めている。
CM総量規制なんて、もはや現実とそぐわないように感じる。
そういう思いこめて、僕は今月もサーバの利用料を支払う。