曇天の続き

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2010-03-30 Tue.

心得

2010-03-30

中学生の頃。
僕は毎週土曜になると、近所のラーメン屋「ラーメン藤」に昼飯を食べに行っていた。
記憶が正しければ、ラーメン定食が470円だったと思う。
僕が食べてきてラーメン屋の中で、ノスタルジー分を割り引いても、ベスト3には入る名店である。

そのラーメン屋は、ある日突然閉店になった。
結構流行っていたのに店を閉めたのは、たぶんご主人が体調を崩したからだと推測する。
ご主人が粉薬を飲むのを、僕は普段から見かけていたからだ。

その後、その空き店舗は別のラーメン屋が入ったり、たこ焼き屋になったりしたが、どれも半年も続かなかった。
もし僕が「探偵!ナイトスクープ」に何の演出プランもなく依頼をするなら、「「ラーメン藤」のラーメンをもう1度食べたい」というのを竹山探偵か松村探偵にお願いする(北野誠探偵なら現場にすら行かない)。

この店で学んだことがある。
それは、人員が少ないラーメン店でのお勘定のタイミングである。

何の見境もなく自分のタイミングでお勘定を頼むと、ご主人に「ちょっと待ってね」と言われ、しばらく待たされる場合があった。
この時ご主人は、麺をあげていたり丼の盛りつけをしていたりしていた。
客にサーブし終わってから、ようやく「470円ね」とお勘定をしてくれた。

つまり。
小規模のラーメン店では、店員が麺をあげていたり盛りつけをしたりしている時に「お勘定」なんて言ってはいけない。
このことは、ラーメンを待っている客の立場になって考えると、よくわかる。

だれもが知っているようなことをなぜ言うのか、というと、僕が20年近く前に体得したエチケットを理解していない客が今でもいるからだ。
勘定をせかしたところで、別に店員は何も言わずに対応してくれるかもしれない。
しかし、僕のラーメンはどうなる?

飛行機の乗り方、お金との付き合い方と合わせて、ラーメン店での所作は義務教育で教えるべき事項だと思う。

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