曇天の続き

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2010-03-10 Wed.

贖罪

2010-03-10

2010年1月11日に放送した「カンブリア宮殿」で、ある会社に勤める若者の発言が、笑顔とともに放送されていた。
確かこんな発言。

「昔は、オヤジ狩りばかりしてました」

すばらしい。
強盗罪(被害者を負傷させていた場合は強盗致傷罪)という重罪で懲役刑を受けて、刑期を満了し、ちゃんと更正して、笑顔で前科を告白するなんて、これも法務省の「社会を明るくする運動」のおかげであろう、おかえりなさい…。

執行猶予判決だったかも知れない?
確かに実刑を受けていないかも知れないけれど、それでも執行猶予期間を自省に当て、テレビで前科があることを告白するなんて、およそ凡人のできることではない、仏門にでも入ったのだろうか…。

起訴猶予処分だったかも知れない?
確かに裁判を受けていないかも知れないけど、警察で罪を認めて、被害者と示談が成立していて、その罪を反省し、顔をさらして、犯罪をすがすがしく告白するとは、なかなかの好人物である…。

逮捕すらされていない?
じゃあ、今後の人生で一生をかけて罪を償うつもりなのではないだろうか。
顔を出したのは、逮捕、起訴されるため。
たとえ時効が成立していたとしても、民事裁判で損害賠償を確定させるつもりなのだろう。
被害者は加害者の顔をきっと覚えているはずだし、この従業員を雇用した企業も社会的責任から賠償を手伝うことだろう。
なにせこの罪の告白は2か月も前の話だ、警察も間違いなく動いているはず…。

僕の実家は港に近く、毎週末になると暴走行為の騒音に悩まされていた。
おかげで、深夜のテレビ東京の楽しみに集中できなかったくらいだ。
なので、いくら罪を償っていたとしても、過去の罪を話のタネにする行為を、僕はどうしても受け入れられない。
「やんちゃ」という言葉をよく耳にするのは、「犯罪行為」や「迷惑行為」という言葉が「言葉狩り」された結果だと、僕は思う。

でも、暴走行為をする犯罪者がいなかったら、「柳沢警察密着24時」というCDは生まれなかったはずだ。
柳沢慎吾氏が1人198役を演じ、音楽CDの限界、99トラックが詰まった名作。
こういうのを、「存在価値」と呼ぶのだろう。

どうでもいいけど、1人の発言のせいで、他の従業員まで同じように見られるのには、少々同情する。
僕も、小倉出身なので。

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