道明
2010-03-03
桃の節句とはずいぶん(幼稚園でのイベント以来)縁のない僕ではあるが、毎年必ず食べたくなるのが「桜餅」である。
この「桜餅」。
正月に食べる餅の形状、あるいは「ぜんざい」ほど目立つことはないが、常に論争の種になる食べ物の1つである。
東京で、「桜餅が食べたいでありんす」などと空気を読んだ甘えをたまにのたまうと、謎の和菓子が出てくる。
もっとも、「謎」というのは僕にとってだけである。
関東では、「桜餅」といえば、この「謎」の和菓子のことを言う。
「ちがうちがう、これじゃなくて、こしあんをおはぎの中身みたいな餅米で包み、といってもその餅米は桜色で、その周りを塩漬けした桜の葉で包んだ、といってもその塩漬けした葉は桜ではなくて別の何かの葉なのだろうけど…」
と説明をすると、
「それは「道明寺」、この田舎者めが!」
と罵声が返ってくる。
僕はこのやりとりを東京に来てからもう5、6ターンは繰り返したが、今でも慣れない。
だいたい、田舎者と言うけど、日本古来の都は…、とこの時ばかりは、奈良、京都、そして福原京の味方になる。
ようやく、道明寺なるものを手に入れ、食す。
道明寺を食べるときに、いつも「どーみょーじ!」と唱えて食べるのだが、これが織田無道のモノマネであることがばれたことは一度もない、お元気でしょうか?