批評
2010-02-08
高校生の時の話。
教室で同級生と、テレビに出てくる有名人の悪口を言い合い、楽しんでいた。
ある人に水を向けると、次のように返ってきた。
「さあ、どうだろう。その人のことをテレビでしか知らないから、よくわからないな」
高校生の時に、同年代の人にこういうことを言われてみなさいよ。
かなりへこむから。
それ以来、テレビに出てくる有名人の悪口を言うのに躊躇するようになった。
「いつも言ってるじゃん」と、僕を知る人なら言うかもしれない。
実際のところは、悪口を言うのに躊躇しつつ、悪態をついているのだ。
そのリミッターを外したら、それはもうものすごい量が出てくるから。
僕は、このことを新聞の投書欄に寄稿していた、未成年の「歴史女子」にお伝えしたい。
その投書には、「戦国武将に比べて、今の男子は物足りない、情けない」と書いてあった。
僕がテレビの中の人について正確に把握できない以上に、過去の人物についてその性格を把握することなんて不可能であるはずだ。
いくら文献があろうとも、どこまで正確なものか、実に怪しい。
現代の僕から見れば、戦国武将はやや粗暴で強欲だと思う。
できることなら、おつきあいしたくない人たちである。
歴史を愛することを奨励することは、正しいことなのだろうか。
少々考えさせられた。
ただ、未成年の「歴史女子」に待ちかまえている未来には、欲求不満があふれかえっているような気がしてならない。
僕がこんなことを言ったところで、無駄だろうけど。