怪演
西村京太郎トラベルミステリー「密室列車・特急かもしか途中下車連続殺人」を見た。
途中「アド街」を見たり、電話がかかってきたり、キンキンの息子について説明したりしていたので、トリックも話も全く理解できなかった。
ただ、矢崎滋の悪人ぶりには目を奪われた。
やっぱり彼の演技はうまい。
数年前にも、「矢崎滋は、演技がうまい」という結論に達したことがある。
友人が「日本酒を飲み比べる」というイベントを開催してくれた。
数々の銘酒が並べられ、テンションが挙がった。
もちろん、銘酒はうまかった。
そのイベントには、「パック酒」(ノッチ曰く「箱酒」)も一緒に用意されていた。
参考として、銘酒とパック酒を飲み比べてみよう、という趣向である。
銘酒をたっぷり堪能した後、パック酒を試してみた。
ネタとして、「これはまずい」というオーバーリアクションをしようと思ったのだ。
ところが、パック酒を口に含んだ瞬間、口が、
「なのなのなのなの…」
となってしまい、口に含んだ酒を流し台に吐き出してしまった。
口がパック酒を自然に拒否してしまい、とても飲めたものではない。
大げさなリアクションなど必要なく、テンションが下がってしまった。
思わず口にした言葉は、「ばつー」。
その頃、その酒のCMに矢崎滋が出ていた。
CM中で彼は港で漁師や町の人と酒を飲み、ものすごく高いテンションで酒を宣伝していた。
僕ら凡人には、この酒を飲んで矢崎滋ほどのテンションを表現できない、とその時ひしひしと思い知った。
そして、改めて矢崎滋の演技能力の高さに感服するにいたった。
やっぱり、ともさかりえや氷川きよしでは、ちょっと弱い気がするものね。
えんやー。
もちろん、僕らがこのような失態を晒したのは、パック酒を銘酒とともに飲んでしまったからだと思う。
パック酒だけを飲めば、普通に飲むことはできると思う、たぶん。
あれ以来、パック酒が怖くて避けているから、わからないけど。