死活
僕は生まれてから一貫して「バカ」である。
しかし、ある時期を境にして種類の異なる「バカ」となった。
現在の僕は「どうでしょうバカ」である。
しかし、「どうバカ」になる前までは、「どうでしょうを見ない本当のバカ」であった。
僕はある理由からローカル番組を毛嫌いしてきた。
なので、「「水曜どうでしょう」という番組が北海道で話題になっているらしい」という噂を聞きつけても、「ローカル番組である」という理由だけで見る気にはならなかった。
特に、テレビ朝日で「探偵!ナイトスクープ」が打ち切られ、代わりに「水曜どうでしょう」が放送された段にいたっては、遺憾の意を表明し、「北海道3大独特文化」の1つとして「水曜どうでしょう」を挙げるほどだった。
そのうち、大泉洋を全国区の番組で見るようになり、「この男は面白い」と気付いた。
その当時、独立UHF局で「水曜どうでしょうclassic」をやっていたので、軽い気持ちで見ることにした。
時は2006年10月まで進んでいた。
このとき、「アラスカ」の回をやっていた。
何週か見ていくにつれ、この番組の面白さを次第に理解するようになった。
決定的だったのは、オーロラを見る企画のはずなのに、当人たち(少なくともD陣)は見るための手を尽くしていないこと。
あまりに衝撃的で、テレビ企画の常識を覆された気がした。
その衝撃以来、僕は「どうでしょうバカ」を公言し、これまでの「視聴せず嫌い」を返上した。
お得意の「変節」とはいえ、「どうバカ」になるまで大変愚かな振る舞いをしてきたものだ。
素直に反省する。
今日、我が街の独立UHF局で放送されていた「水曜どうでしょう」が最終回を迎えた。
7年前の番組にもかかわらず、思わず胸が熱くなった。
ここ2年半ほど、「どうでしょう」を生きるための原動力としてきた。
今、それを失い、呆然としている。
見始めたのが遅かったのが完全に悪いのだが、あることが原因で「西日本縦断原付バイクの旅」を放送できなくなったという事態をかなり悔しく思っている。
それでも、D陣の「全てをDVD化する予定」という言葉を信じ、「西日本原付」がDVD化され、それを手に入れるまでは無事で生き続けよう、と心に決めている。