曇天の続き

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2009-02-16 Mon.

下落

2009-02-16

僕が、世界史の中で最も好きな史実は、第1次世界大戦後にドイツで引き起こったハイパーインフレーションである。

第1次世界大戦後、ドイツは多額の賠償金を連合国側に支払うことになり、しかもフランスに工業地帯であるルール地方まで占拠されたのが原因で、インフレが進行した。
どれくらいかというと、1ドル=4.2マルクだったのが、最終的には4兆2000億マルクまで暴落した。
マルクは1兆分の1の価値に下落したのだ。

世界史の資料集に、当時のドイツ国民が多額の紙幣をリヤカーで引っ張っている写真が載っていた。
その写真を見て、僕は不謹慎にもひとり大爆笑、もとい、大笑いしていた。
もちろん、誰ともこの笑いを分かち合うことはできなかった。

そして、2009年。
ハイパーインフレーションは昔のことだと思っていた。
しかし、まさに現在進行形でハイパーインフレが進んでいる国がある。
南アフリカの一国、ジンバブエ共和国である、

どのくらいのインフレなのか、説明するのは難しい。
最新のデータだと、非公式だが、年率のインフレ率は6.5x10^108%である。
僕は無量大数までしか大きな数を知らないので、これをどう表現していいのかわからない。
ちなみに、失業率は80%を超えている。

ただ、今回のこの騒ぎについては、僕は笑うことはできない。
現在進行形の話であるからなのはもちろんではあるが、それだけではない。
対岸の火事ではないかもしれない、という恐怖があるからだ。

経済については、無学なので詳しいことはわからない。
でも、政府紙幣というのはどうも気持ちが悪いし、僕は信用できない。
何せ、中央銀行が発行する二千円札券ですら、国民の信用を得ていないのだから。

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