蘇連
2009-02-04
「ヴ」という表記がある。
[v]の音を表現するために用いられる。
僕は、この「ヴ」という表記があまり好きではない。
これにより、表記がぶれてしまい、どちらで書いていいのか迷ってしまうからだ。
ところで、僕の実家には平凡社の世界大百科事典があった。
全30数冊からなる事典である。
僕が生まれた頃、父親が何らかの期待を込めて購入した。
おそらく30万円はしたと思う。
父親には、「わからないことがあったら事典を引け」と教育された。
僕が事典に触れたのは、事典についていた地図帳を眺めた際と、小学校の課題で出された押し花作りのために重しとして利用した時だけである。
父親の期待を完全に裏切ってしまった。
ただ、1つだけ、事典に書かれてあったことで印象に残っていることがある。
それは、「ソヴェト」という項目である。
「ソヴェト」とは、ロシア語で言う「会議」のことである。
子供ながらに、「これは「ソビエト」のことではないか」と疑問に思った。
たぶん、いつかの時代で「ソビエト」のことを「ソヴェト」と表記していたのだろう、と推測される。
それにしても、「ソビエト」を「ソヴェト」と書くのはいささか気持ち悪い。
まあ、「あ゛」書かれるよりはましだが。