曇天の続き

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2001-10-03 Wed.

熱狂

2001-10-03

「ウォーターボーイズ」見てきた.「矢口史靖,ここに結実」といった感じ.

「ワンピース」の撮影風景を見たり,「アドレナリンドライブ」の制作現場の様子を文章で読んだりしてみると,矢口監督の現場っていうものはすごく楽しくて,活気のあるのが伝わってくる.それが逆にあだとなっている部分があって,「アドレナリンドライブ」を見たときには「確かに現場は楽しそうだけど,それは内輪だけだな」というさめた印象を持ってしまった.観客が置いていかれているように思えたのだ.「ウォーターボーイズ」では観客にしっかりと見せてくれた.成功の理由は1つに観客が水泳部員にだけ焦点を集めればいいことがはっきりしていたことだ.「裸足のピクニック」や「ひみつの花園」では主人公だけ見ていればよかったけど,「アドレナリンドライブ」では大きく2つのキャラクターの強い立場があって何処にフォーカスを合わせていいかわからなかった.もう1つは観客が本当に観客になれたこと,シンクロの観客になれたことにあるだろう.完成度の高いシンクロを見て純粋に感動してしまった.

また,「裸足のピクニック」や「ひみつの花園」は主人公ひとりのパワーがとても強かったので,主人公と周囲とのコントラストがよかったんだと思う.だから主人公についていけた.「アドレナリンドライブ」はそのパワーの強さを登場人物で共有しようとしていたみたいだけど僕にはそれについていけなかった.「ウォーターボーイズ」は登場人物のパワーの共有が成功したこれまでにない作品だと言える.突出した人物を登場させなくても映画全体の勢いが僕を引っ張っていった.ストーリーは古い.むちゃくちゃにくさい.でも,ただただシンクロに打ち込む主人公達の姿がとても爽快.そこが「ひみつの花園」に通じるところがある.そして,作るにはおそらく相当の準備と努力が必要だったんだろうなと思わせる場面がいくつもでてくる.手が込んでいる.

しかし,マンガっぽいよな.「ひみつの花園」も伊集院光が車に当てられるシーンなんて全くマンガだなと思ったけど,ここでもたくさんそれが現れた.さらに,演出がやけに憎たらしい.イルカの泡とか「バーニング娘。」とかがついてくるんだよね.

それにしても,今日はかなりの人がいた.映画の日っていう理由もあるけど,「ひみつの花園」をシネマ・カリテでやっていたことを思い出すと懐かしい.おそらく,かなりのwebで絶賛の意見がのせられていると思うんで,あんまり言わないけど,何年かして深夜にでもやってたらぜひ見てください.でも,もう1回見に行ってもいい.あと,矢口さんは女の子の撮り方がうまい.平山綾,ランクアップ.

「矢口史靖は子供の映画しか撮れない」と友人が発言した。 「スウィングガールズ」には確かにがっかりした。 「ウォーターボーイズ」ももう見られたものじゃない。 やっぱり「裸足のピクニック」がいい。

ところで、「栃木三大美女」をご存じだろうか。 僕が独断で決めた。 1人は平山あや、そして…。
答えはまたいつか。 にしても、「平山あや」の「あや」をひらがなで変換したATOK2006はすごい!

(2008-03-22)

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