曇天の続き

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2001-04-19 Thu.

Mean Machine

2001-04-19

関川夏央の「水の中の八月」を読む.

この本を以前読んだのは1998年だ.僕が東京に来て始めてみた映画はユーロスペースでの「ユメノ銀河」だった.監督は石井聰亙,主演は小嶺麗奈.この映画の前に同じ監督と主演で取られたのが「水の中の八月」だ.石井聰亙が福岡出身だったことからか,福岡高校がロケ地に選ばれた.結局これは全くもって駄作だった.その後,1998年にNHKがドラマ化した(伊藤歩が出てた.今何してるんだろ).このころ,僕はなぜかNHKのドラマにはまっていて,よく見ていたことを覚えている.NHK版「水の中の八月」は映画とは雰囲気の異なるものの様に感じた.「バタ足金魚」と石井版「水の中の八月」がごちゃ混ぜになっていたのかもしれない.NHKのドラマを見た後その流れで何となく文庫本を買った.1998年の夏の話だ.

あのころはつまんない本だなと思った.現実感が感じられなかった.でも今読み返してみると,とても落ち着いた文章でかつシャープな表現だ.1998年に読んだ後,様々な場所で「関川夏央」の名を目にした.本当にいろいろな所に出てくるから,彼がどんなテーマについても書ける職人的な文筆家であるかの様に感じられ,好感を持っていた.そういった状況を経て読み返したから,彼が冷静な目をもった文章を書いている様に感じたのかもしれない.

水の切れ目という表現を今でも覚えている。 友人もNHK版「水の中の八月」を見たらしく、かなり後にこの話題で盛り上がった。

(2008-03-08)

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