曇天の続き

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2001-04-18 Wed.

輪廻

2001-04-18

1年ぶりに駒場に行った. 1,2年の時に通った駒場キャンパスに今日行った理由は,自治会が古い教科書を買い取ってくれるからだ. 1年前と比べて変わったところと言えば,新しい図書館の工事が始まっていたことと,実験棟の隣の中庭がきれいになっていたことくらい.細かいところはいろいろと変わっているけど,特に大きく変わった気がしない. 生協のそばのテントで「教科書リサイクル」が行われていて,ひとりの男(年上なのか年下なのかよくわからない男)が手持ち金庫を扱っていた.実際のところ,引き取ってくれるのが自治会なのかどうだかわからない.もっとも,教科書はなかなかいい値段で引き取られたから,誰に引き取られようが,その教科書で誰が利潤を上げようか,どうでもよかった.誰がやっているか見当のつくいかがわしい秋葉原のショップで自作パソコンを買っているわけじゃないんだ.男は「生井澤教官が退官された」とかで生井澤教官の書いた本を引き取らなかった.変化の1つだ. 昔はお金がなくてひどく困ったこともあったけど,いざお金に余裕が出てくると使い道がなくて逆に困ってしまう.今日だって教科書を売った金があったにもかかわらず,ラーメン屋に入ってラーメンにするかワンタンメンにするかで少し迷った. こういったことを書くわけは,フジテレビの「百萬男」[HOMEPAGE]という番組を見たからだ.ある男(に限ってんだよね,タイトルからして)に番組が100万円を渡し,それを5時間で使い切るように言う.使い切れば購入したものは全てその人のものになるし,使い切らなければ100万円は全額返さなければならない.カメラは金が使われる様子を追い,番組はお金とは何かを提示しようとする.この手の番組は昔あったような気がするが,番組案内を見る限りでは僕好みの番組のようだ.構成はおちまさと. で,一発目は東大法学部卒で(最近東大生使いやすくなってきたね)司法試験六浪中の貧しく若い男が出てきて,当惑して,無駄遣いして,後悔するという絵に描いたような演出だったわけだが,まあ一発目だし,予定調和でも十分だと感じた. 結局お金をもっていても使い方を知らなければどうしようもないんだよな.たとえばレストランで多少高いものを頼んだって,舌が肥えてなければ高価な料理の恩恵なんてないわけだし(ステータスを求める人は別だけど),僕なんか東京で金出して高いものを食うよりも,実家帰って安い値段でまっとうなふぐとか関サバとか食う方がずっと「割に合う」と考えている.そうやってうまいものを食いながら舌を肥えさせて,おいしいものを的確に評価できる人間になりたい.それは金を積んだところで簡単になれるものではないのだ.金粉入りの酒に何の意味があるかわかんないけど,僕はまだ安いビールを飲んでる方がずっといい.残ったお金はまた別の「割に合う」ものを買えばいいんだ.払った額に似合うだけの満足度が得られた方がいい.ラーメンが食いたければお金があってもチャーシューメンなんて頼まない. でも,誰かが無駄遣いしないと経済は回らなくなるわけだから,無駄遣いしたい人はじゃんじゃんするべきだと思うけどね.そんな人にはあんまり関わりたくないけど.

東大生タレントも増えた。 事務所サークルでもあるのだろうか。

(2008-03-08)

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